2009年12月13日日曜日

マイクロスコープで見る・観る・診る



この9月から、治療の強力な助っ人「マイクロスコープ」を
本格的に導入しています。


マイクロスコープと言われても、「??」と思われる方も多いと思いますが、
いわゆる顕微鏡・・・そう「歯科用顕微鏡」です。

このマイクロスコープ君は、
ドイツのカール・ツァイツという会社で生れました。

ちなみに「カール・ツァイツ」というのはこの会社を設立した人の名前です。
カメラのお詳しい方はよくご存知かと思いますが、
この会社は、カール・ツァイツ光学工場をもっており、
例えば、結核菌の発見でノーベル賞を受賞したローベルト・コッホは、
「カール・ツァイツの卓越した顕微鏡なしでは、自分の成功は有り得なかった」
と言っていたそうです。

また、アポロ11号が月面で撮った時のカメラもカール・ツァイツ社製、
日本国内のいくつかの天文台にも天体望遠鏡が置いてあります。

そんな背景をもつカール・ツァイツのマイクロスコープ!


佐藤歯科では、どのようなことに使用しているのかと申しますと、
現在は診断やメンテナンス、そして外科的な処置の際に大活躍です。


診断では、
例えば、「咬むと痛い」という歯があったとしましょう。

レントゲンを撮っても、痛みの原因となるような決定的な虫歯や炎症が
認められず、原因がわからないとき、
「顕微鏡で拡大してみてみましょうね」ということで、
その歯を3倍、5倍、8倍、20倍と必要な倍率に拡大して観察しますと、
肉眼(裸眼ともいいます)では見えなかったものがグッと見えてきます。


そう、思わぬところに微細な亀裂が存在していて、
それが原因で症状がでていたのだ、ということがあります。

メンテナンスでは、
すべての方に使用しているわけではありません。
今のところ、インプラントを入れた方のクリーニングの際
拡大して汚れを見つけ、除去するということに使っています。

一見、インプラントの周りが
とてもきれいにブラッシングされているようでも、
マイクロスコープを通して観てみますと、
ブラシの届きにくいところにはしっかりプラークが
こびりついていることがあります。
プラーク取り残しの原因で、インプラント周囲炎にならないよう、
私達はより確実に汚れを取り除かなければなりません。


外科的な処置では、
処置をする場所を拡大して見る事により、
創面をより小さい範囲にとどめ、
ダメージを最小限に抑えることができるという利点があり、
それにより患者さんにとっても治療後が比較的軽い症状で済むという
ことも期待できます。

このほか、マイクロスコープを使用しての治療応用範囲は拡がっており、
より正確で精密な歯科治療を目指し、
患者の皆様のお役に立てるよう使用して参りたいと思っております。

どうぞ、マイクロスコープ君をよろしくお願いいたします。