「 病い得て 余儀なく入院 五月晴れ 泉香 」
この句は、今はなき祖母が26年前に詠ったものです。
祖母は父親の母で、名前は「小田部(おたべ)とめ」。
お歌を詠むときは 「泉香」 。
お医者様に入院するように言われ、しかたなく入院したけれど
またすぐに元気になるでしょう、と
沈んでいる様子でもなく、暗さや重さも感じられない。
「五月晴れ」という言葉からは、むしろ、「晴れやかさ」が伝わってきて、
そんな祖母の気持ちが、読み取れる一句でした。
しかしながら、その入院のまま祖母は亡くなってしまいました。
昭和60年5月22日。
大学を卒業してちょうど1年たったばかりの私にとって、
成人して初めて接する「死」でした。
そして、昨日はその27回忌の法要。
あれから26年も経ってしまったのかと、
時の流れのはやさに驚き、
当時、般若心経を読解し、「輪廻転生」の本を夢中で読んでいた
そんな昔の自分の姿を懐かしむ
機会でもありました。
この日は、同時に
祖父・小田部利(とし)の23回忌、
伯父・小田部晃(あきら)の17回忌も執り行われました。
父方の親戚が集まり、顔を合わせるのは震災後初めて。
日頃の無沙汰を詫び、ともに元気であったことを確認し、
これからも体に気を付けていきましょうと互いに励まし合いながら
また別れる。
そんな当たり前のことだったのですが、
皆無事で、再会できたことがが、とっても有難いことで、
それが幸せというものなのかもしれない・・・
そんなことを痛感した一日でもありました。
合掌
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