2012年10月21日日曜日

スイーツマラソン ~チャレンジングな時間 3~

スイーツマラソン。

マラソンという言葉を聞くと、
どうしても思い出してしまうストーリーがあります。

それは、

Marathon  des Sables

砂のマラソン。

サハラ砂漠の中を7日間にわたって走り続けるという
最も過酷な競技。

今年も、この10月末から始まると聞きましたが、
私が、このマラソンの存在を知ったのは、
このレースに参加したイギリス人の国際的な事業家
ピーター・セイジが自分の講演の中で
話をしてくれたとき。

今から7年前のことです。

暑さ50℃を超す中、
必要な食糧すべてと寝袋、約20キロを背負って、走る。

1日あたり支給されるの水は、8~9リットル。
その水で、水分補給や洗濯、調理をまかなわなければならない、
と、彼は語っていました。

その時のペースによっては
数時間誰にも会わずに、過ごしたり
夜間、独りで走り続けることもあったとも。

夜、テントの中に入ってきたサソリさえ、
友達のように思えたというのですから
いかに過酷で孤独なレースかがわかります。

彼は、何日目で食中毒にあってしまい、
すべてのモチベーション、すべての戦略、
自分をここまで引っ張ってきた自分自身への問いかけ、
すべてが消えかかっていきます。

葛藤が続き、
「続ける必要はないよ。」
 すべて、やれることはやった。」という声が聞こえてきます。

最後の力を振り絞り、
エネルギーを使い果たしてしまったとき、
モチベーションが尽きて
レースから外れようと心に決めます。

発煙筒をつけると、ヘリコプターが迎えに来てくれ
レースから外れることができるということですが、
その発煙筒に火をつける瞬間、
彼は、あるものを見ます。

彼のそばを、
盲目のアジア人男性が走り過ぎて行くのを
見たのです。

自分の足がどこを走っているのかも見えない、
景色をたのしむこともできない。
手首が、ガイドしてくれる人の手首と繋がっているだけ。

ピーターは、何が彼を走らせているのだろう?
なぜ、この男性は走り続けているのだろう?
と思い、盲目人男性に追いつくべく、
再び、走り出します。

そして、ピーターがわかったのは
このアジア人男性は、数年前に弟を癌で亡くしたが、
弟がいた病院に寄付をするために
毎年、このレースを走っているというとでした。

また、その男性は自分を超える使命と理由をも持っていた
ということも、わかりました。

ピーターは、彼に出会ったことで、
7日間のレースを完走することができました。

それだけでなく、
ピーターが盲目の男性が走り去るのを見たとき、
エネルギーがどこからか沸いてきたのを感じ、
それはどん底にいて何一つ残っていないとき、
自分が目を開き、心を開いてみようとしたときだけ
人生は奮起させてくれる何かを与えてくれるのだ、
ということを知り、
私達に、そう語ってくれています。

マラソンという言葉を聞くと
どうしても、思い出してしまうストーリーとサソリ。

それは

Marathon des Sables

砂のマラソン

     ♡    ♡   ♡